いちねん

うちのばあちゃんがここを旅立ってからちょうど一年が過ぎました。
そのときのことはまだ鮮明に覚えているのだけど、わたしの中ではきちんとそのことを受け入れられていないような気がするのです。すでに一年も経っているというのに。仏壇の上で笑ってるばあちゃんの顔を見ていると「ああここにはもういないんだなあ」とふと現実に引き戻されるようで、ろくにお参りすることもできなかった。そこにいたら知らずに泣けてきてしまう。わたしは看護師という職業柄、そういう場面を何度も見ているはずなのに身内となったらこんなもんです。みんな、そういう葛藤を抱えながら日々過ごしているのかなあ。でも、毎日めそめそしているわけでもないです、もちろん。忘れている時だって多々あるし。だけど、いつでも心の中にばあちゃんがいるような気はします。どこかに隠れて「この子は大丈夫かな…」とハラハラしているような気がします。ここにいたときと同じように。
いつまでたっても心配かけてごめんね。
わたしは毎日なんとかがんばって働いとるよ。ぐちぐち言いながらやけどね。
最後まで優しくできなくてごめんね。
心の中ではいつも感謝していたのに。なんであんなにいつも怒ってたのかね。
わたしはいつまでたっても子供でいやになるよ。ほんとに。
うちらはけんかしながらも仲良く暮らしとるよ。心配せんでもいいよ。
ずっと忘れんからね。ばあちゃんのこと大好きやよ。
あったかいところでのんびりしとられね。
そんじゃあね。