切りとる言葉のむこうがわ

思い出せる思い出がないなあ、なんてひとりで勝手にさびしくなって。冷たい海の底に沈む。ぶくぶくと。
すきなひとのはなしがしたいなとつぶやいて、はたと「誰と?」なんて疑問が。だれかのたのしくてしあわせな言葉たちがときにはチクチクと棘のように刺さる。なんでもっとあの場所を大切にしてこなかったんだろうなあ。ほんとうに言葉を交わしたいひとなんて、ほんのわずかなのかもしれない。
どれもこれも。とても、わがままで身勝手なひとりごと。