本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ

重力ピエロを観てきました。ここのところ映画なんてやったーまんしか観ていない(しかも4回も)どうしようもないわたしですが、これだけは映画館で観たくて。伊坂さんの作品の中でいちばん好きなのです。読んだのはずいぶん前で大まかな話の流れは覚えていたけど、細かいところはすっかり忘れていて。なんだかそれがすごく新鮮だった。春役の岡田くんの佇まいの美しさと言ったら…。少年のような無邪気な表情をしたかと思えば、冷徹で殺気立った表情を見せる。まだ10代なのに雰囲気があるというか存在感に目が離せなかった。加瀬くんは冴えない兄貴として、頼りなくてもっさい男の人に見えてくるからすごい。そして何よりお父さん役の小日向さん。彼の笑顔には悲しみも憎しみもすべて包み込むような温かさがあって、「現場ではムードメーカーだった」と兄弟が言っていたことを思い出してなるほどなと納得しました。慈悲深いというのかな。使い方間違ってるかな。
物語のテンポもよくて、でもいろいろなエピソード(例えば幼少の頃の話や父と母の出会いとか)も大切に描かれていて、観ていて気持ちのよい作品でした。家族の愛が感じられる場面ではけっこうぐっときました。また原作も読み返してみよう。
今日のタイトルは劇中(小説でも出てきます)での言葉です。うまく言えないけど、こころにずっしりくる言葉。

S.R.S/ Sometimes
タイトルバックに流れるこの曲。映画では英語詞で流れていましたがこちらもなかなか。いい曲。